論理的思考とは?
相手に「伝える」ということ
相手に自分の考えを伝える。
そして相手に「うん」と言ってもらう。
あるいは、相手からアドバイスをもらい自分の考えを練り上げていく。
大事なことは「あなた」が言いたいことではない。
「あなた」が大切だと思っていることでもない。
それが、相手にとって、伝えられることが期待されている「メッセージ」になっているかどうか。
つまり、相手が言ってほしいこと。
自分ではなく相手のことを考えることが大事だと思うわけですがそこには落とし穴がある。
「午後は山田部長と打ち合わせだ。部長は英語がきらいだ。カタカナ表記を極力なくさなければ。お天気屋の部長には機嫌の悪いときに難しい案件の話は御法度だ。今日の様子を午前中に会議のあった総務部に聞いておこう」
確かに相手のことを考えてはいる。
しかし、問題は、伝え手が相手である山田部長のことを考えるうちに、部長との打ち合わせのゴールを、無意識に「とりあえず部長のご機嫌を損ねることなく打ち合わせを終わらせること」にしてしまっていること。
おそらくこの打ち合わせで、この施策をやろうとか、止めよう、といった事業上の大きな意思決定がなされることはないだろう。
継続検討や様子見、といった無難な線で収まるはずだ。
しかし、そんな打ち合わせを繰り返したところで、物事は何も進まない。
自分の考えを論理的に伝える第一歩として「いきなり伝える中身について考えない」こと。
相手に伝えるべきメッセージとは?
まず「メッセージ」について次の3つの要件を満たすことが大事。
【課題】
コミュニケーションにおいて答えるべき課題(テーマ)が明快であること。
【答え】
その課題やテーマに対して必要な要素を満たした答えがあること。
【相手に期待する反応】
そのコミュニケーションの後に相手にどのような反応をしてもらいたいのか相手に期待する反応が明らかであること。
「課題」「答え」「相手に期待する反応」この3点セットをマスターしてはじめて「メッセージ」といえる。
自分の考えを相手に伝えるときに確認すべき2つの項目として
- 課題(テーマ)を確認する
- 相手に期待する反応を確認する
相手に期待する反応を確認する
例えば、上司と 30 分のミーティングをするとしよう。
自分が説明する事柄で頭が一杯でミーティングに臨む人と、 30 分後に上司が席を立つときに、「あなたの言った A、 B、 C という選択肢の中では、私は B がよいと思う。次にはコスト分析と関係部門へのヒアリングをやってみたらどうか」という上司自身の考えや指示を引き出そう、と考えてミーティングに臨む人とでは、ミーティングの成果は大きく異なるはずだ。
また、顧客に15分間でサービスの説明をするとしよう。
これまた、とにかく15分で説明しよう、と考える人と、15分後に顧客から「では、うちの会社だったら具体的にどんなサービスをどのように提供してくれるのか?」という質問を引き出せれば成功だ、と考えながら説明に臨む人とでは、説明の中身自体も変わってこよう。
伝えることは手段であり、目的ではない。
相手の反応を最終着地点において行動する人は非常に少ないと感じる。
あなたのその言葉にはどんな意図があるのか?
どんな行動を引き出すことを意識して話しているのか?
つまりコミュニケーションの後にどのような反応を引き出せればそのコミュニケーションは成功といえるかを常に意識することが大事。
まとめ
- いきなり伝える中身について考えない。
- 大事なことは、相手にとって、伝えられることが期待されている「メッセージ」になっているかどうか。
【話す前・書く前の2つの確認】
- 課題(テーマ)を確認する
- 相手に期待する反応を確認する